オートメーションについて考えてみよう。
人間に代わってコンピュータやロボットを導入し、オートメ化を進めると、確かに人件費の節約になるが、それは個々の企業にとっての節約であって、社会全体からみれば雇用機会の減少です。
新規の雇用機会がそれを補うのでないかぎり、先進国、途上国を問わず最大の懸案となっている失業問題が技術の「進歩」によってかえって激化するという矛盾が生じる。
技術の進歩に伴う失業の問題は産業革命の時代から絶えず起こっていることではあるが、近年のオートメ化は資源や環境の制約が厳しくなって低成長を余儀なくされているときに、頭脳労働を含む極めて広範囲の職種を代替する可能性をもっているだけに、一方で"働かないと賃金をもらえない"分配システムがあるのに、技術開発の方向が"なるべく人間を必要としない、できれば無人の"生産システムを目指しているという雇用と技術(の内容)との敵対的性格に対して強い疑問を抱かざるをえない。
労働力が余って困っている多くの途上国に先進国のオートメーション技術を導入することの愚を早くから指摘したのはシュマッハーの卓見です。